2016年12月23日金曜日

有馬記念2016 波乱の糸口を見い出したい


毎週のブログ更新はお休みしていますが、有馬記念は久々の投稿です。



有馬記念は今年から優勝賞金が3億円に引きあげられ、JCの賞金と並びJRAの最高賞金レースとなった。これにより、有馬記念目標という馬が増え、秋古馬三冠を全部走ってやろうという陣営が激減した。また有馬記念を秋4戦目で迎える馬も減った。
 以前は有馬記念は惰性で挑む馬が多く、有馬を目標に立て直してきた馬、最初から狙っていた馬が勝つ!そういうレースだった。昨年の1番人気ラブリーデイは得意とするスローだったにもかかわらず、秋4戦目で完全に調子のピークを過ぎた状態で挑み、その結果5着。しかし今年のメンバーを見ても秋4戦目で迎える馬はサトノノブレス、サムソンズプライド、ムスカテールしかいない。どう転んでも勝てない馬たちだ。
有馬記念が荒れやすいレースなのは、枠順で有利不利がはっきりしているということに加え、有力馬の仕上げに差があるからということも大きかった。今年は仕上げに関しては大差ないということを頭に入れておきたい。



以上の事を念頭に、予想に入る。

枠順、展開・脚質、血統の3つのファクターに注目する。



まず「枠順」


1~4枠が圧倒的に有利
5~7枠は3着要因
8枠は消し


14枠が圧倒的に有利で、過去10年で23頭がここから出ている。当然中心にしたい枠である。

1 キタサンブラック
2 ゴールドアクター
3 ムスカテール
4 ヤマカツエース
5 サムソンズプライド
6 サウンズオブアース
7 マルターズアポジー
8 ミッキークイーン



5枠~7枠は過去10年で7頭馬券になっているが、その内3頭はゴールドシップ、他には家族揃って有馬記念を庭にしているトゥザグローリー、ダイワスカーレット、アドマイヤモナーク、サウンズオブアースである。複数絡んだのは2008年のダイワスカーレット、アドマイヤモナークだけである。馬券になるなら1頭と考えたい。


9 ヒットザターゲット
10 アドマイヤデウス
11 サトノダイヤモンド
12 サトノノブレス
13 デニムアンドルビー
14 シュヴァルグラン


有馬記念は言うまでもなく、内枠有利外枠不利ははっきりしているレースだ。特に815,16番枠は過去10年で1頭も馬券になっていないので、見ただけでけしてもいい。名馬クラスの馬なら検討の余地はあるが、アルバート、マリアライトならば消しでいい。


15 アルバート
16 マリアライト






次に「展開・脚質」



前走の脚質を参考に並べるとこうなる

逃げ
マルターズアポジー
キタサンブラック

先行
ゴールドアクター
サムソンズプライド

先行(控え目)
ヤマカツエース
アドマイヤデウス
サウンズオブアース
サトノノブレス

差し
ムスカテール
ミッキークイーン
サトノダイヤモンド
シュヴァルグラン
アルバート
マリアライト

追込
ヒットザターゲット
デニムアンドルビー


マルターズアポジーが宣言通りハナを切るだろう。そしてもしかしたら横山典弘のサムソンズプライドが逃げるかもしれない。しかし、どちらもガンガン逃げるタイプではないため、スローになるのは確定的だ。コーナーが多く、ペースが上がりにくいコース形態のため、ペースが上がるのはいつも3コーナーから。ゴールドシップやオルフェーブルみたいな捲り脚質の馬が4コーナー先頭の勢いで乗るとペースが上がるが、今年はどうも先導役がいない。あるならばサトノダイヤモンドシュヴァルグランだろうが、乗り役のルメールも福永もG1では最初のポジション取りが巧いタイプの騎手で、道中の仕掛けや早仕掛けをするタイプではない。ここはペースを極端に上げる捲り騎乗ではなく、流れに乗りながら外を回りすぎるロスを防ぐ乗り方に専念するだろう。

スローを決め打つならば、やはり内枠、先行馬を買うことになる。

キタサンブラック
ゴールドアクター
サウンズオブアース
ヤマカツエース

このあたりだろう
そのほかの馬は実力が圧倒的に足りない
除外した馬の中でミッキークイーンは強い馬だが、この馬はストライドを伸ばして伸び伸び走るタイプであり、JCや天皇賞(秋)の直線の長いコースならば男馬相手でもやれないことはないが、中山向きの馬ではない。


次に「血統」

有馬記念ではJCとは異なる血統が活躍する。ディープインパクトなどの超主流血統ではなく、ステイゴールドやネオユニヴァースといった、宝塚記念や皐月賞を勝ちそうな血統が活躍する。


本年はステイゴールド産駒の出走はないがネオユニヴァース産駒からはサウンズオブアースが出走。他にはキングカメハメハやキングズベスト等の父にあたるキングマンボを持つ馬もよく馬券になり、ここ6年で5頭が馬券になっている。キングカメハメハを持つ馬はヤマカツエースデニムアンドルビー
その他には自身が有馬記念を連覇しているグラスワンダー。なかなか後継種牡馬が現れず、有馬記念に駒を進めることが少なかったが、スクリーンヒーロー産駒のゴールドアクターが孫の代で有馬記念連覇を達成してもまったく不思議ではない。またヤマカツエースが母父グラスワンダー。



まとめ


冒頭でも触れましたが、今年の有馬記念は陣営の本気度が高い。そして伏兵や本命になりつつある馬が香港国際レースに駒を進めたことにより、伏兵が手薄である。
このことを踏まえて考えた結果、今年の有馬記念は筆者の中では7頭立てである。


1  キタサンブラック  スローになりすぎると差される可能性が高い
2  ゴールドアクター  去年より相手が強い
4  ヤマカツエース   距離にやや不安
6  サウンズオブアース 直線でスムーズに出せるか
11 サトノダイヤモンド 騎手の乗り方次第・レースの鍵
13 デニムアンドルビー 追込・極端な展開のみ出番
14 シュヴァルグラン  枠が外すぎる・成長力No.1



本命 サウンズオブアース
対抗 ゴールドアクター
押え サトノダイヤモンド、キタサンブラック
中穴 シュヴァルグラン
大穴 ヤマカツエース、デニムアンドルビー



一番いい枠を引いたのがサウンズオブアース、昨年は4コーナーで不利を受けてポジションを下げ、外をふさがれたにもかかわらず、僅差の2着。前走JC2着の出来も素晴らしかったが、有馬記念の方が適性が高い。


ゴールドアクターは前走JCは4着。もともとパワーと機動力が売りの馬なので、切れ味勝負のJCは期待していなかった。得意コースに戻ってのパフォーマンス向上は間違いなく、キタサンブラックの直後につけられるこの枠は理想的。


キタサンブラックは先行力と乗りやすさが一番の売り。ストライドを伸ばして走るタイプで、G1級の切れ味はないが京都などで、後続に脚を使わせ先行流れ込みが好走パターン。有馬記念ではスローになりすぎることを警戒したい。末脚は並みなのでペースを落とし過ぎて直後につけられると簡単に差される可能性がある。今年の波乱のポイントはそこではないかと考えている。


サトノダイヤモンドはダービーこそ不運にも落鉄で勝てなかったが、間違いなく世代最強馬。この世代では菊花賞2着レインボーラインがJCでゴールドアクターと同タイムの6着。サトノダイヤモンドは菊花賞で0.4秒差をつけており、古馬にも問題なく通用するレベルにあると考える。サトノダイヤモンドは勝ち方こそインパクトに欠けるものの弱点がないタイプ。このレースはこの馬がキーとなりそうで、仕掛けてレースを動かすならこの馬

シュヴァルグランは当初本命を考えていたものの、枠が外すぎる。本当にそれだけ。4枠以内なら本命だった。この馬はヴィルシーナやヴィブロスの兄弟で、Haloのクロスおよび相似クロスを多数持つため、脚さばきが非常に俊敏で、小回りが得意なファミリー。そのためハーツクライ産駒の持つ鈍重さが感じられず、スローでも早く抜け出せるのに持久戦でも対応できる。またハーツクライの持つ成長力があり、今一番成長している馬のひとつだろう。またアルゼンチン共和国杯を58kg背負って勝った馬は初めてで、東京よりも中山の方が向いているに違いないため、ここは印を上げたいが。。。外すぎる。


ヤマカツエース2200m以上の距離で好走したことがないが、キンカメ×グラスワンダーという血統背景に加え、中山金杯、金鯱賞という相性のいいレースに勝利している。そして枠が素晴らしい。ただG1レベルの馬ではないことは確か。


デニムアンドルビーは末脚の破壊力はG1級。スタートが上手くないのと、下りコースが下手という弱点があり、4コーナーが下りの京都コースG1では好走がない。牝馬相手ではG1を勝てるコースがないので、牡馬相手に戦うこと自体は正解だろう。この馬が有馬記念を好走するならば極端なスローか極端なハイペースのどちらかだろう。後方待機の有力馬が不在なので追い込みで来るならこれしかいない。シュヴァルグランとデニムアンドルビーのワイドを拾っても面白いかもしれない。




結果的にJC組サトノダイヤモンドである。
今年は堅い決着の可能性が高い。



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